台所と暮らしのあわいを、時系列で書いている連作です。
急がず、第一話から、または気になる話から、お読みください。
「焼きたてが好き」と「毎週焼きたい」は、別の動線。
刻むより、洗うほうが面倒になる瞬間がある。
レシピを開くという工程の、見過ごされる重さについて。
残った家には、油と後片付けの段取りが先にあった。
押入れに入っていったのは、収納の地形と相性が合わなかっただけかもしれない。
止まったのは性能ではなく、動かす前の手間と噛み合わなかっただけかもしれない。
眠っているのは性能ではなく、買う前に思い描いた料理と段取りがずれただけかもしれない。
持ち続けるか手放すか、年に一度の道具に揺れる気持ちの行き先を、観察してみます。